http://store.steampowered.com/app/10500/Empire_Total_War/
https://steamdb.info/app/10500/
SEGAの有名IPであるTotal Warシリーズの第五作目。
Total Warシリーズとしては始めての近世が舞台となる。
時代は大航海時代が終わり、絶対王政から革命時代へと移る過渡期の
1700年からスタート。プレイしたのはバニラ。
日本語化は可能。
日本語化 - EMPIRE:TOTAL WAR(エンパイア:トータルウォー) Wiki*
ただし、MODのDMEを導入した上での日本語化になる。
DMEを導入し、日本語化した上でバニラでプレイもできる。
シングルプレーは以下の5種のプレーがある。
・戦闘チュートリアル
そのままで、戦闘をチュートリアルで解説してくれる。
・独立への道
キャンペーンのチュートリアル。戦闘・侵略・内政・外政などキャン
ペーン上で必要なことをグレートブリテン王国を舞台に進める。
・グランドキャンペーン
このゲームのメイン。グレートブリテン王国、フランス王国、オースト
リア帝国、ネーデルランド共和国、スペイン王国、プロイセン王国、ポ
ーランド・リトアニア共和国、オスマン帝国、ロシア帝国、スウェーデ
ン王国・マラータ同盟からプレイする国を選択し、各国に設定された勝
利条件を満たすことを目的としてプレイする。
1700年から始まり、ショートキャンペーンは1750年末まで。ロングキャ
ンペーンを含むその他の勝利条件だと1799年末までとなる。
・ウォーパスキャンペーン(DLC)
DLCを購入しないとプレイできないキャンペーン。舞台はアメリカ独立
戦争が終結した直後の北アメリカ大陸東部。プレイヤーが選択できるの
はイロコイ連邦、ヒューロン連合、プレーンズ連合、プエブロ族、チェ
ロキー族のインディアンの5勢力。選択した勝利条件によって若干異な
るが、一番長くて1783年~1828年とやや短めのキャンペーン。
・戦闘のみプレイ
戦闘だけを楽しめる。陸戦・海戦・包囲戦、さらに歴史上の戦闘をプレ
イできるシナリオ戦闘の4種。
マルチプレイヤーも若干名の人が未だプレイしている。遊ぶだけなら問題
ないと思う。
以下、グランドキャンペーンについて述べる。
大航海時代に欧州各国が新大陸・インドへ勢力を伸張させたこともあり、
ゲームの舞台は欧州+北アメリカ大陸東部+インドとMedieval II: Total
Warに比べ広がっている。
前作では独立勢力が存在し、軍事力も乏しく他国への影響力も限られる
ため勢力間の緩衝・勢力伸張の足がかりとしての役割を果たしていたが、
今作では独立勢力は一掃され国同士が直に隣り合わせになった。
その代わり上で挙げたようなプレイヤーが遊ぶことができる国とは別に
小国と言われる国が存在する。小国は独立勢力よりはゲームへ影響力は
大きく、外交を行い、他国へ攻め入り、特に最高難易度では侮れない軍
事力を有す。
ちなみにDMEを導入すれば小国でも遊ぶことが出来るようになる。
前作と国家運営のシステム面で変更されているされているところは
・首長と内閣大臣が存在し、其々の人物に能力が設定されている。政府
の体制によっては一定期間を経ると選挙が行われる。有用な人物が大
臣ポストに付いているとそのポストに属する分野においてプラス補正
が付く。そのため無能な人物は即解雇が必要。
・前作までは各街ごとに税率を調整することができたが、今作では税率
は一律で全ての街に掛かる。
・街は経済向け・軍事向けと分かれておらず、建築次第でどちらにも特
化することができる。ただし、建築は軍関係が街内の集中しているの
に対して、経済を振興させる建築は国内の各所に存在し、人口が増え
るとともに建築できる場所が増え、技術が開発されていくと同時に高
度な建築が行えるようになる。
今作の大きな変更点の一つに技術ツリーの導入がある。
国内に学校があれば技術ツリーの上部から順に技術研究を行うことが
できるようになる。技術ツリーは軍事・工業・哲学の3種に分かれてい
る。
さらに軍事は陸兵・砲兵・海軍に分かれ其々に対応した技術を開発して
いくことができる。工業は畜産・金属工業・繊維に分かれ、開発すれば
経済関係の建築費用軽減や高位建築ができるようになり、経済に好影響
をもたらす。哲学は一つのツリーのみ。建築できる学校が増え、技術研
究率を増やすことができるようになる。
個人的にまず手を付けるべきは哲学。最高難易度では技術研究は大切で、
CPUにある程度先んじて技術を開発し、技術を売り渡すことで金銭を得
るため技術開発速度を上げる必要がある。経験主義→社会契約論→重農
主義は自分の中では固定の開発順。
なお、技術と金銭のトレードとは別に技術と技術のトレードもできる。
あとは国家間の交渉の選択肢が多岐にわたるようになった。
また今作では造船ができるようになり、貿易船と海軍船を活用すること
ができるようになった。貿易船は欧州+北アメリカ大陸東部+インドと
は別にトレード海域が存在し、そこにある取引所に泊地させることで交
易による利益を得ることが出来るようになる。トレード海域はブラジル
他にも海に面する国では港を建設し、国家間で通商協定を結ぶことで
国家間貿易を行うこともできるようになる。
この船での交易ができるようになったことで海上には交易路存在し、各
国の港や取引所に繋がっており、交易路上に船を錨泊させると、その交
易路を使用している敵対的勢力の交易を停止させることができる。
勢力の中に海賊が存在し、交易路上に停泊し交易に影響を与えてきたり、
取引所に泊地している船を襲ってきたりする。世界各国と交戦状態にな
っているため、海賊の行動は全ての国へ影響を与える。
なお、敵対勢力の船と接触した場合は海戦になる。
今作での主な変更点はこれぐらい。
個人的にグランドキャンペーンをプレイして面白かったのは、グレート
ブリテン王国、プロイセン王国、ネーデルランド共和国の三国を最高難
易度でプレイすること。
グレートブリテンは島国で他国と陸続きになっていないため、直接侵略
される可能性は低い。経済・技術研究力・海軍力に秀でており、さらに
アメリカ大陸には13植民地が保護領として存在するため、交易による収
入を増やす下地が調っている。
ただし、フランスとスペインとの関係が悪く、13植民地は周りがインデ
ィアンとフランスに囲まれているにも関わらず八方に喧嘩を売るので、
フランス・スペインとの巻き添え開戦に発展してしまう。
グレートブリテンは交易への依存が高く交易路がスペイン沿岸を通って
いるため、開始早々にフランス・スペインを相手に大立ち回りを行って
しまうと軍備拡張に気をとられてしまい他に手が回らず、経済破綻・他
勢力伸張により行き詰まってしまうためときには13植民地及びアメリカ
大陸を切り捨てる必要が出てくる。
最初の侵略目標はインドがオススメ。アメリカ大陸への侵出はフランス
と敵対し、大量に湧いてくるインディアンの軍隊と戦うために軍事力増
強が必要なのに、未開発の地域が多く短期的に経済的恩恵が乏しいため
経済的に行き詰る。それならばロンドンで2フルスタックの陸兵を徴兵
し、インドへ侵出した方が間違いなく良い。というか、フランスを占拠
して陸軍国家として欧州戦乱の中へ入っていかない限りはインドしか選
択肢がないと思う。
治めている地域が2地域なのに、間の西プロイセンがポーランド・リトア
ニア共和国に治められていて飛び地になっている国。初期状態はそれほ
ど良くは無いがCPUが操作してもある程度勢力が伸びる強力な国で、欧
州における戦争の醍醐味を味わうことができる国だと思う。ただし、海
における覇権、海軍の整備はほぼ完全に捨てる必要がある。
基本的にはポーランド・リトアニア共和国と敵対せずに西へと勢力を伸
ばすのがベターな選択だと思う。オーストリア帝国とは序盤で確実に敵
対することになる。そのためにはポーランド・リトアニア共和国との友
好関係に加え、ポーランド・リトアニア共和国と争うオスマン帝国との
友好、スウェーデン・イングランドという海洋国家との友好関係を築く
必要がある。
また、最高難易度のCPUは隙さえあれば軍事同盟を結んでいようが平気
で宣戦布告を行ってくるので、急速に効率的に軍事力を拡大させなけれ
ばならない。具体的には1ターン目は2地域で可能な限り徴兵し、2ター
ン目にザクセンへ宣戦布告する。ザクセンはポーランド・リトアニア共
和国の保護領のためポーランド・リトアニア共和国も巻き添え参戦して
くる。ベルリンの全兵力でザクセンを落とし、東プロイセンの半分の兵
力で西プロイセンを落す。そしてすぐさまポーランド・リトアニア共和
国と講和し、落としたドレスデンを整備しつつ可能な限りの徴兵を続け
て4ターン目にはハノーファーを落す。
この時点でデンマークはスウェーデンとの緩衝地帯とし、ヴェストファ
ーレンはスペイン・フランスとの緩衝地帯とする。そうするとポーラン
ド・リトアニア共和国とオーストリア帝国が争っているはずなので、ポ
ーランド・リトアニア共和国に1地域も落とさせないようにオーストラリ
ア帝国の各地域を落としていく。ここまでくればプロイセンが欧州に覇
をとなえる礎は固まったようなもの。
ネーデルランド共和国:
最高難易度で一番難しい国だと思う。欧州・アメリカ大陸・インドに支
配地域があるにも関わらず、産業による経済基盤は貧弱で交易頼りの経
済。軍事力は交易船と海軍に偏っていて、陸軍は心許ない。
さらに隣国がスペインで、アメリカ大陸での隣国はフランス。フランス
は数ターン経てば間違いなく宣戦布告を行い、フランス領ギアナからオ
ランダ領ギアナに兵を進めてくる。
アメリカに重きを置くとフランスに宣戦布告され敵対状態になり、巻き
添え参戦してくるスペインに本国を攻撃され、開始早々ゲームオーバー
になる。
インドに重きを置くとマラータ同盟に抗するだけの陸兵を徴集できず、
マラータ同盟の海軍に交易路を遮断されて経済的にジリ貧になっていく。
プレイしていての正解だと感じたのは、交易船を乱造して取引所に派遣
し、収入の基盤としつつオランダ本国で陸兵を徴兵する陸軍による拡大
が一番容易な道だと思う。ただし、これをするにはフランス・スペイン
相手に領土割譲も含めた手で同時開戦されないように持っていく必要が
あり、且つ東側で伸張する勢力とのバランスの取れた外交と交易路遮断
の最大要因となるグレードブリテンとの同盟の継続を行う必要があり、
繊細な外交と大胆な侵略を同時に行わなければならない。プレイしてい
て非常に面白い国になる。
DLCとなるウォーパスキャンペーンはインディアンを操作して、欧州列国
をアメリカ大陸から排斥することが目的となる。
ただし、インディアンの陸兵の装備は貧弱で欧州列国の銃に対しては為す
術なく瓦解していく。そのためまずはインディアン同士の争いで領土を拡
張し、技術開発を行いマスケット銃兵を徴集できるようになってからがア
メリカへの反攻になる。
イロコイ連邦の最高難易度で開始した場合、何もこちらからアクションを
取らなければ開始1ターン目でアメリカから宣戦布告されあっという間に
滅亡してしまう。
最高難易度でプレした場合はグランドキャンペーンよりも難しく、やり応
えのあるゲームをプレイできると思う。
世間的にはバグが多く、Rome:Total WarやMedieval2:Total Warに一歩劣る
作品として評価されているのかもしれないが、個人的には群雄割拠感と前作
までよりさらに広がった外交的・内政的自由度をもとにした戦略の幅がゲー
ムに良い影響を与えていたと思う。
相変わらずの拡張ゲーであること、RTS戦闘部分が面倒であること、自国内
の経済要所を少数の兵で荒らされる山賊行為に非常に手を焼く等のマイナス
面もあるが、個人的にはかなり楽しめた作品だった。