スニークアクションゲームで、Thiefシリーズのリブート作品であるThief 2014を
クリア。過去シリーズの要素と特性を踏襲しつつも、最近のスクエニっぽいスニ
ークアクションに仕上げている。
Tomb Raider 2013と同じく、この作品でも日本語化は不可能。どうしても日本語
で遊びたい場合は別売りのThief: Japanese Language Pack(定価:1999円)を購
入する必要がある。なお、この日本語DLCはTomb Raider2013の日本語DLCの倍
の値段。非常にパブリッシャーへの印象が悪くなる販売方法が採用されている。
主人公は前シリーズと変わらずギャレット。片方の義眼はシリーズ通して彼のト
レードマーク。ヒロイン役はエリン、ヒロインとしての役割だけでなくストーリ
ーの重要な部分に関わる人物。
前シリーズを踏襲しているのは彼だけではなく、武器やアイテム類に街の名前な
どがあり、システム面もThief: Deadly Shadowsを色濃く残しているが、一作目・
二作目の良いところは拾い上げて吸収している。
武器は過去シリーズと同様に弓矢とブラックジャックが主武器。矢は過去作品で
も使用してきたブロードヘッドアロー・ファイヤーアロー・ウォーターアロー・
ロープアローとお馴染みのものから、ソートゥースアロー・ブラストアロー・チ
ョークアロー・ブラントアローなど今作で追加された矢があり、モスアロー・ガ
スアロー等削除されたものもある。
ちなみに地雷やポーション類なども聖水などのアイテムは今作では削除されてい
る。聖水はアンデッド類が敵として出てこなくなったから当然か。
ブラックジャックは敵の背後を取り、専用のキーを押すことで発生するテイクダ
ウンで使用するのみで、前作までのようにその武器単体で敵に殴りかかることは
できなくなっている。
戦闘では前作までは短剣などを使用して発見された後も敵と戦闘を行うことがで
きたが、今作では直接近接戦闘ができないため発見されても逃走するか、弓矢で
の攻撃に限られる。
これらの武器は街の各所に存在する商人から購入・補充することができるように
なっており、所持Gが潤沢であれば序盤から様々なアイテムを使用することがで
きる。
さらに酒場などにいる商人からはツールや各種装備のアップグレードを購入する
ことができ、格子を開けて通気口を移動できるレンチ・額に飾ってある絵を入手
できるようになるかみそり・罠を無効化するワイヤーカッターは必須のツール。
早期に入手すれば、それだけ行動範囲が増え盗品の入手機会が増えるので、その
他アイテムよりも優先して入手したい。
あとはロープアローを常に上限いっぱいに所持して行動すると上記ツールと同様
に行動範囲が増える。
マップは高低差のある街を舞台にしたオープンワールド。マップは区域ごとにい
くつか分かれている。広さはあまり広くないがそれぞれのマップの各所に隠しエ
リアや侵入できる部屋があり、その中には盗むことができる品や収集品などが存
在する。また、マップ内にはメインもしくはサブミッションのマップに通じる箇
所があり、そこに辿りつくことでミッションに挑戦することができる。
なお、ギャレットの自宅も街の中に有り自由に出入りが出来る。
地上にはガードや革命軍兵士などが巡回しており、定められたパターン通りに行
動している。途中で固まったりするバグ有り。パターン通りの行動を行う敵をの
隙をついて定められたルートから選び取って移動することになる。長時間敵の視
界内にいれば不審→警戒と段階的に敵の対応が変わっていき、もし見つかれば周
囲の敵全てが敵対状態になり攻撃してくる。
なお、マップ自体が高低差のある場所が多いため屋根伝いに移動していれば街の
中ではそうそう敵に発見されることはない。
ゲーム序盤では必要なツールやロープアローなどが不足していることもあり、金銭
的に厳しい状態にある。そのためマップ内を探索して金策を行うことになるが、つ
いでに受けておきたいのがサブクエスト。特定の人物からクエストを受注すること
で成功すればゴールドを得ることが出来る。
サブクエストは街中の隠しエリアや室内に目的のオブジェクトが存在する場合とそ
れ専用のマップが存在する場合がある。
サブクエスト専用マップの場合は独立したマップのためそれぞれに特色のある作り
になっている。ちなみにDLCのthe Bank Heistもサブクエストで序盤から受注でき
る。
サブクエストの受注以外で金策を行う場合は隠しエリアや侵入できる部屋には金品
が置かれているので、それ目的で侵入、盗むことになる。ときには住人やガードな
どがいたり、罠が存在する。また重要なアイテムについては隠し部屋や金庫・金品
の隠し場所などにあるので丹念に調べて発見、ピッキングや暗証番号を入手する必
要がある。
なお、些少ではあるが、巡回している兵士や一般人らはポーチや貴重品を所持して
いる場合があり、気付かれないように死角から盗むことも出来る。
ピッキングはマウスをぐりぐり動かして、白線の丸内が広くなる位置でピンをセッ
トしていくというシステム。
金庫についてはミッション中に出てくることが多い。基本はミッションマップ内に
ある文書をヒントにして、暗証番号を得ることが多い。
このようにアイテムを集めていくが、中にはわかりにくいところに貴重な収集アイ
テムである収集品がおかれており、 収集品を集めると自宅内に収集品が飾られる。
実績が気になる人やアイテム取得率を100%にしたい人は頑張って探すといいかも
しれない。
闇夜の中を移動したり、アイテムを盗むときに有用な能力としてフォーカスがある。
この能力は今作で付与された能力で、探索・隠密・戦闘等など幅広く活躍できる能
力ではあるが、使用中はフォーカスのゲージが消費され、ゲージがなくなると一瞬
のみしか使用できなくなる。
フォーカス中プレイヤーが関与できるオブジェクトが青く光り、敵もリラックス状
態・警戒状態を色分けで判断できる。罠についても色つきで確認できるので後半に
なるほど重宝する。
また、フォーカスポイントを取得することでフォーカスをアップグレードでき、フ
ォーカスに強力な能力を付与できるようになる。フォーカスグレードについては
NPCから購入したり、マップ中にある光る文字に触れることで入手することができ
る。
過去作と比べれば遊べる要素が増えて、自由度が減った。
自由度が減ったのは自由に行動できる場所が減ったというのもあるが、基本は見つ
からずに移動しないといけないのと、敵の配置・行動パターンとマップの作りによ
り移動するルートが製作者の意図したルートをなぞるゲームになっているという意
味での自由度の低下。これはHitman Absolutionと同様の方向性の改変。Hitmanの
場合は暗殺マップ内である程度の自由が確保されているのに対して、Thiefは終始
縛られているようなプレイを余儀なくされる。この点では過去作のThiefとは比べ
るべくもない。
あと、Thief: Deadly Shadowsをプレイしていても思ったが、このゲームはホラー
要素が映える。音を立ててはいけない、静かにして周囲の音に注意しないといけな
い、敵を避けるために画面に常に集中する必要があるとまるでホラー要素を入れて
下さいと言わんばかりのプレイスタイルを求められる。
なので、このゲーム内で唯一ホラー要素のある病院のステージは面白かった。ただ
し、この要素に傾倒しすぎるとThiefの重要な盗賊というファクターが薄くなるので
多様はできないとは思う。
最近になってスクエニの近作を幾つかまとめてプレイしていて感じたのは、スニー
クという要素のあるゲームについて、スクエニ内で制作するときの基本形があり、
その土台にそれぞれのタイトルの特色を積み重ねているように見受けられる。
Tomb Raider 2013・Hitman Absolution・Thiefとプレイ感が酷似しすぎている。
それぞれのゲームは水準以上の出来ではあるのだが焼増しだと強く感じてしまう。
特に短期間に幾つかプレイしていると余計にそう感じた。
それぞれ特色ある作品なだけに似たような焼き増し作品化していかないことを願
う。