Thief: Deadly Shadowsをクリア。難易度はノーマル。
Thiefシリーズの三作目、デベロッパーはIon Storm。一作目・二作目を
制作したLooking Glass Studiosが潰れたため開発会社が違う。
ストーリーは前々作・前作と話が繋がっている。日本語化は不可。
開発会社及び制作・プレイ環境が変わったことで、変更された部分と
変更されていない部分がある。
主に変わっている部分はグラフィック、ステージ、ピッキング。
それ以外の部分については特に大幅な変更部分はない。
グラフィックは上記画像のように過去作に比べ大幅に向上しており、
陰影の表現がかなり良くなっている。見つけられないように微妙な立
ち回りもできるようになっている。
また、視点変更もできるようになっており、一人称視点と三人称視点
を選択できる。一人称視点だと従来のような操作性。三人称視点は操
作性はほとんど変わらないが、視界が開けることで壁越しの敵の視認
などが容易になり、難易度が大幅に下がる。
このグラフィックの向上が原因なのか前作に比べてステージが大幅に
狭くなっている。前作まではだだっ広いけど作りこまれたマップの中
で探検する楽しみもあったが、今作では比べられないほど狭い。
少し大きめのステージでもブロックごとに分かれており、ブロック間
の移動には必ずロードが入る。
しかも、そのロードはマップや設定を一から読み込んでいるからか
Core i7 2700kでもロードに5秒ほど必要になる。オブジェクト関係で
行ったり来たりするときは頻繁にロードが入り、やや鬱陶しくなる。
このロードはマップ間の移動だけでなく、ロード時やクイックロード
時にも行われる。クイックロードを多用する人にはストレスを感じて
しまうだろう。特に前作まではロードに時間が掛からなかったことも
あり余計そう感じてしまうと思う。
マップは今作では箱庭型になっている。
一マップは狭いが、マップごとに住宅街や商家街、ドック等々で区分
けされており各マップに特色がある。それらのマップは繋がっており、
自由に行き来できる。
マップ内には自宅に加え、ストーリーの進行とともに侵入できるよう
になる建物やアイテムを購入できる商店、盗品を買い取る買取屋があ
る。
また、街中は町人が行き交い、ガードやペイガン、ハマーがいるので、
敵対している場合に見つかれば交戦状態になる。さらに侵入できる家
等もあり、そこから金目の物を盗んで資金にすることができる。
特に商店は重要。前作までの盗んでも使い道のなかった盗品を換金し、
そのお金で各アイテムを購入できるようになり、任意の時に必要なア
イテムを補充できるようになった。これで出し惜しみせずに、ばんば
んアイテムが使える。
商店の中にはピッキング能力を上げる練習鍵や壁を登れるようになる
手袋など必要になるアイテムもあるので必ず覗いてみるといい。ちな
みにInvisibility Potionは強力すぎたのか抹消されている。
ピッキングについても過去作から大幅に変更されている。前作までは
四角と三角のロックピックを使って、USEキーを押し続けることで解
除することができた。今作ではピックを操作して正しい位置に移動す
るだけ。ただし、正しい位置の探りや解除するまで最低でも4回は解除
する必要があり、重要な鍵になるほどこの必要解除数は増えていく。
ステージ目標は一作目よりも二作目より。
目標を達成するために複雑な手順を踏むよりも、目標物を盗むだけが
多い。特に上に書いた換金→アイテム補充のシステムが用意されてい
るので、このシステムを利用させるために金品を盗む目標がほとんど
のステージで設定されている。
それ以外についてはギミックを使用して達成する目標よりも、目標物
を盗む目標が多い。ただし、相変わらず会話や文章内でのヒントをも
とに行動するので、多少の英語力は必要になる。
敵対勢力については主にKeeper、ただしHammer・Pagaonも敵対
する。ゾンビなどのモンスターは少ないが、後半になると排除でき
ない敵が多くなる。
開発会社が変わったとはいえ、意識して全二作に大幅な改変を加え
ず元の作品に準拠した作品になっているので、正統なバージョンア
ップ版になっている。
ただ、改悪ととらえられる部分と改善ととらえられる部分もあるの
で、前作までに求めていたものと相違が出た人には不評が出るかも
しれないが、作品としての面白さは損なわれていないし、thief2より
もthief1よりの作品なため過去作品が好きな人も楽しめる作品には
なっている。